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(17)民事信託

行政書士 浩綜合法務事務所

民事信託

”任意後見制度”と”財産管理委任契約”+αの効果とは?

まずは”信託(トラスト)”から

「信託」は、自分の特定の財産を信頼のおける人に預け、契約に基づいて管理、処分してもらう仕組みです。日本では馴染みの薄い「信託」ですが、”スムーズな財産管理の代行手段”として注目を浴びています。
”信託”といえば、信託銀行が頭に浮かんできますね。最近の信託銀行は、金銭や株式以外に不動産の信託にも力を入れているようです。また、信託銀行ばかりでなく、専門会社として設立された”信託会社”を使う方法もあります。実際には、どちらの利用でも相当な額の資産がなければ利用できない現実が…。

信託では、登場人物は3人だけ!

「信託」では、自ら
預ける財産=【信託財産】を決め、
何をしてもらうか=【信託目的】を決めます。
その上で、必ず次の3人が登場します。 

  • 【委託者】財産の実質的な所有者で、財産を預ける人(=財産をお持ちの方)
  • 【受託者】委託者から財産を預かり、管理・運用・処分する人(=信頼できる人など)
  • 【受益者】その財産の運用・処分による利益を得る権利(受益権)を有する人 

財津花子さん(75歳)のケーススタディ

財津花子さん

夫は他界し、気楽な一人暮らし。自宅とアパートをもち、年金と家賃収入で生活しています。子は長男、長女の2人で、結婚してそれぞれマイホームがあり、心配ない状況です。花子さんは、自分の病気や認知症がでたときを心配しており、介護施設への入居費用や自宅リフォーム費用・入院費などの多額の出費時にはアパートの売却代金で賄おうと考えています。

解決法その1 ”任意後見契約”

財産の管理や病気や入院時、身体が不自由になった際の財産管理なら「財産管理委任契約」を結んで、家族の誰かか、信頼できる第三者に財産管理を依頼します。
その際、将来判断能力が低下した場合に備えて「任意後見契約」も結んでおくと、万が一への備えとして、安心できます。

解決法その2 ”秘策!民事信託”

自宅とアパートを信託財産として、家賃管理などをしてもらう”信託契約”を結びます。
この”信託契約”に基づいて、受託者が家賃管理と経費の支払い、自宅の維持管理を代行して、本人(委託者)が”契約で決めた必要となった時(=判断能力がなくなったときなど)”に、アパートの売却まで代行してもらえます。

解決法1と2はどう違う?
  • ”家庭裁判所の関与”の違い
    ”任意後見契約”では、任意後見が実際にスタートする際には家庭裁判所が「任意後見監督人」を指定します。弁護士や司法書士など本人と関係のない第三者が、”任意後見人”が契約通りきちんと処理をしているかチェックします。
    一方、「民事信託」では家庭裁判所は関係してきません。信託契約時に本人の判断で「信託監督人」を決めておけば”その人(法人)”が、決めていなければ”委託者本人(ご自身)”が監督者となります。
  • 不動産を処分するとき
    ”任意後見契約”をもとに委任者名義の不動産の売却をしようとすると、家庭裁判所へ届け出て金額などを提示のうえ許可が必要なため、時間がかかってしまいます。「今なら希望金額で売れる!」ときでも、チャンスを逃す可能性も…。
    一方、「民事信託」では信託財産の名義は受託者に変更されるため、売買契約がスムーズに進みます。もちろん売買価格を家庭裁判所へ届け出る必要もありません。
    委託者の希望通りにタイミング良くコトを進める点では、「民事信託」の方がメリットがあるようです。

「民事信託」の活用事例

「民事信託」なら、これまでの制度で対応しきれなかった次のようなケースも解決できます。

  • 遺言書だけで対応しきれないケース(オーナー経営者の事例)
    会社の株(自社株)は経営を任せる長男に譲りたいが、長男に万一のことがあれば、長男の妻でなく(長男と一緒に経営にタッチする)次男に譲りたい。
  • 障害を持つ子どもの将来をカバーしたいケース
    会社を経営しているため、万一の際に自分が破産した場合でも、障害を持つ子どもに残す財産を別に確保しておきたい。財産の管理や子どもの面倒は、いとこに頼んでおきたい。

「民事信託」はこのように幅広い活用余地があるため、注目を浴びています。とはいえ、使うにも、誰でもどこでもできる制度ではありませんので、関心をお持ちの方は専門家へご相談ください。