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成年後見制度 Q&A

よくある質問(Q&A)

成年後見制度に関する「よくある質問」をまとめました。

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が低下した人のために、家庭裁判所の手続きを通じて援助してくれる人(後見人等)を選任して、本人の権利を保護しようとする制度です。

成年後見制度は大きく分けて【法定後見】と【任意後見】に分けられます。
【法定後見】では本人の判断能力の程度やその他の事情によって【後見】・【保佐】・【補助】の3つに分けられます。

【後見】―常に判断能力を欠いている状態にある人を対象としています。つまり、認知症などに罹患し、自分の財産を管理・処分することができず、常に誰かに代わってやってもらう必要がある程度の判断能力の人のことです。

【保佐】―判断能力を著しく欠いている人を対象としています。つまり、常に判断能力を欠いている状態ではないが、自分の重要な財産を管理・処分するためには、誰かの援助を必要とする程度の判断能力の人のことです。

【補助】―判断能力が不十分である人を対象としています。つまり、ある程度の判断能力は保っているが、一部の重要な財産を管理・処分するためには、誰かの援助を必要とする程度の判断能力の人のことです。
これまでは、被後見人は成年後見制度を利用することで選挙権を失っていましたが(保佐、補助は除く)、平成25年の法改正により、後見でも選挙権がなくならないことになりました。
ただし、会社の取締役に就けなくなったり、弁護士や医者等の一定の資格に就けなくなるといった資格制限はあります。
なお、成年後見制度の利用が一旦開始されれば、本人の症状が回復するなどの特別の事項がない限り、後見制度の利用を止めることはできなくなります。
つまり、後見制度の利用が開始されれば、本人の資産はすべて裁判所(あるいは後見監督人)の管理下に置けれ、後見人であろうと自由に消費することはできなくなりますので、生前贈与や寄付、親族への貸付等を行いたくても、本人にとって、また本人の財産維持にとって不要な行為と見ることができますから、裁判所は特段の事情がなければこれを認めません。
成年後見人選任申立てをする時点で、本人(被後見人)の診断書が必要になります。
全ての申し立てにおいて鑑定が行われるわけではありませんが、もし、診断書を作成した医師が鑑定を引き受けることができず、紹介もできない場合は、鑑定をしてくれる医師を申立人自身が探すか、裁判所に選任してもらわなければなりません。
鑑定とは、本人の判断能力がどのくらいなのかを医学的に判断するための手続きです。
従って、主治医がいない・診察に通えない等の理由で診断書を書いてくれる医師の目途がつかないと、申立ての準備が進まない事態になってしまいます。
そうなると、裁判所の方で別の鑑定医を手配せざるを得ず、その鑑定医探しに長期間を要することもあります。
相続が発生し、本人と成年後見人が同じ相続人の立場になる場合、特別な場合を除き法律上利益相反の問題が生じてしまいます。したがって、このようなケースでは、成年後見人が成年被後見人を代理して遺産分割協議をすることができません。
つまり、利益相反の場合には、成年後見人には当該事案について本人の代理権がなくなりますので、そのままでは有効な遺産分割協議をすることができません。
この場合、後見監督人がいれば、後見監督人が本人を代理して遺産分割協議に参加することになります。
後見監督人がいない場合には、家庭裁判所に「特別代理人」の選任を求めることになります。
遺産分割協議をするだけの目的ならば、後見監督人の選任を申立てるのではなく、特別代理人の選任を申し立てることをお勧めします。
というのも、特別代理人は、遺産分割協議がまとまった時点で特別代理人はその役割を終えますが、後見監督人は、遺産分割協議をまとまっても家裁の判断がない限り、後見監督人が外されることはありません。
尚、遺産に関して、プラスの資産より負債の方が大きく、本人と成年後見人が共に相続放棄するような場合には、本人と成年後見人との利害は相反しませんので、成年後見人から有効に相続放棄の手続きが可能です。
任意後見契約は、あくまで委任者と受任者の契約になりますので、未成年者が意思能力を有している場合には、親権者の同意が条件となりますが、未成年者自らが任意後見受任者と任意後見契約を締結することができます。したがって、知的障害者又は精神障害者等であっても、障がいが軽度であり、意思能力を有していれば契約を締結することができます。
死後事務委任契約とは、本人がなくなった後に、死亡届の提出、葬儀の手配、医療費や公共料金などの支払などといった手続きを、本人に代わって行うことを約した民法上の委任契約の一種です。
民法653条1項には、委任者が死亡した時には委任契約は終了すると規定されていますが、これは任意規定であって、特約によって変えることができます。
そこで、死後事務委任契約においては、委任者の契約解除権を制限(放棄)し、特定の事由に該当した時でなければ契約解除できない旨の条項を盛り込みます。
そうすることで、その相続人も当該解除権の制限(放棄)付の委任契約の地位を引継ぐことになりますので、相続人にとって過度な不利益が生じる等の特段の事情がなければ、死後事務委任契約を相続人が解除することはできないと考えられます。
任意後見契約における受任者は、同時に複数が就任することができます。
予備的受任者とは,先順位の任意後見人が何らかの理由で任意後見の仕事ができなくなった場合に備えて,先順位の任意後見人に替わって任意後見の仕事をすると定められた次順位以降の任意後見受任者のことです。
たとえば,任意後見人が甲・乙の複数いる場合,第一順位の任意後見人を甲として,第二順位の任意後見人を乙とするというような任意後見契約が結ばれたとします。そのときの乙を予備的受任者といいます。
予備的任意後見契約の特約は登記することはできず,裁判所を拘束することはできません。しかし,契約者当事者間を特約によって拘束しているという解釈は可能です。
法定後見の場合は、申立/審判時点で既に判断能力が低下しているため、「いつから後見を開始すべきか」で大きく迷うことはありません。
しかし、任意後見契約は「まだ判断能力が残っている段階」で契約を締結するため、「いつから後見を開始すべきか」が悩ましいという問題があります。
特に、同居の親族以外の第三者を後見人に選出する場合、本人の健康状態や日常生活での振る舞いなどの情報が乏しく、いつ後見開始の申立てをすべきか悩む例が少なくありません。
その対策として、一般的に任意後見契約の締結とセットで交わされるのが「見守り契約」というものです。
これは、毎月または数ヶ月に1回のペースで本人に電話または訪問をして、何か不都合なことは無いか、変わったことは無いかというのを定期的にチャックする業務の契約のことです。
これにより、認知症の発症などによる任意後見契約の発効のタイミングを常にチェックすることができますので、大変安心です。
電話や本人宅への訪問の際に、本人の判断応力の低下がみられた場合には、本人にも納得してもらった上で医師の診断書をもらい、任意後見監督人選任申立てをすることになります。
任意後見とは、本人がまだ契約の締結や財産管理に必要な判断能力を有している間に、自分の意思で任意後見人を選任し、任意後見契約を締結し、実際に将来判断能力が不十分になったときに後見をしてもらうための制度です。
任意後見人の場合には、自分で気に入った人や信頼できる人を選んでその人に将来任意後見人になってもらうように依頼する事ができ、自分の意思で後見の内容を決めることができます。
なお、任意後見制度での家庭裁判所の関与は、任意後見人を家庭裁判所が選任した任意後見監督人を通じて監督するにとどまります。
また、任意後見契約においては任意後見人を誰にするか、どこまでの後見事務を委任するかは話し合いで自由に決めることができます。
ただし、一身専属的な権利(結婚、離婚、養子縁組など)については任意後見契約に盛り込むことはできません。
可能です。
任意後見契約を締結するかどうかに関わらず、「財産管理契約」を締結して、元気なうちから特定あるいは全部の財産管理をお手伝いすることも可能です。
ただし、財産管理契約も本人の意思能力が正常な状態であることが前提ですので、将来的なことを考えると、やはり財産管理契約と合わせて任意後見契約を締結しておく方が安心でしょう。
被後見人あるいは後見人であることは、法務局が発行する後見登記事項証明書により対外的に証明することができます。
この証明は、登記されている本人(被後見人)や成年後見人などからの請求があれば発行可能です(最重要レベルの個人情報になりますので、不動産の登記事項証明書と異なり、誰でも気軽に取得できるわけではありません)。
この後見登記事項証明書を金融機関や市区町村役場等に提示することで、本人に代わって成年後見人が様々な手続きをすることが可能になります。
可能です。
ただし、利益相反となる場合には注意が必要です。(No.2 参照)
成年後見人を複数人選任することが可能です。
その際、各成年後見人が同様の権限を単独で行使するように定めることもできますし、共同して権限を行使しなければならない旨を定めたり、成年後見人ごとに職務を分担するという定め方も可能です。
いいえ、そのようなことはありません。
成年後見人の選定は、家庭裁判所が行いますが、家庭裁判所が後見人は1人ではなく複数の方が良いと判断した場合には、複数人が共同で後見人に就任する場合があります。
申立てを行った親族が被後見人の身の周りのお世話(身上看護)を行い、専門職が財産管理をするという、分担して後見を担当するケースなどがあります。
後見人の仕事はケースによっては事務処理が大変ですし、また大きな責任も伴う大切な仕事です。
複数の成年後見人をたて、多くの人に関与・役割分担させて一人で背負い込まないということも必要でしょう。
成年後見人は自分の都合で自由に辞任することはできません。
辞任することができるのは、病気や高齢、遠隔地への転居などによって後見人の職務が行えなくなり、辞任について家庭裁判所の許可を得た場合です。
ただしその場合も新たな後見人の選任が必要です。新たな成年後見人が選任されなければ、家庭裁判所はそれまでの後見人の辞任を許可しません。
民法では成年後見人に対して、家庭裁判所は、成年被後見人の財産の中から相当な報酬を与えることができるとされています(民法862)。
法定後見の場合、成年後見人に対する報酬については全て家庭裁判所が決めるため、成年後見人が自分自身で判断し、「自分はこれくらい頑張ったし大変な作業をしているから年間30万円」と決めることなどはできません。
法定後見人の報酬は、家庭裁判所が後見人の業務内容(入院・入所手続や収益物件の管理・契約締結、自宅の売却等どのような業務をしたか)や本人の資産状況を踏まえ、報酬付与審判により原則1年分の報酬額を決定します。
家族や親族が後見人に就任している場合であっても、家庭裁判所に対し報酬を請求する(報酬付与審判を申し立てる)ことは可能ですが、最終的には家庭裁判所が判断しますので、僅かな金額しか認められない可能性や全く認められない可能性もありえます。
任意後見の場合は、本人と成年後見人との間で交わす任意後見契約の中で、月々の定額報酬や個々の特別な行為に関する報酬を自由に定めることが出来ますので、家族・親族であるかどうかに関わらず、契約で定めたとおりの報酬をもらうことが可能です。
以前の禁治産制度ではその旨が戸籍に載ってしまっていましたが、成年後見制度ではその旨が戸籍に載ることはありません。
その代わりに東京法務局に登記されて本人や成年後見人などから請求があれば登記事項証明書が発行されます。
つけることができません。
成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が低下している人のための制度ですので、身体に障害があるという事情だけではこの制度を利用できません。
法定後見人選任審判の申立ての費用は、裁判所により若干異なりますが、切手・印紙代等の実費が7,000円~1万円くらいです(後見監督人選任審判(=任意後見開始)の申立ても、ほぼ同様です)。
ただし、家庭裁判所が鑑定を要すると判断した場合は、鑑定を担当する医師に支払う鑑定費用が別途5~10万円前後かかります。 なお、これらの費用は原則として申立人負担となりますが、本人(被後見人)に資産があれば、家裁の許可を経て本人負担とすることができます。
一方、任意後見契約を締結する段階では、公証役場への手数料などを含め、実費が2万円程度となります。
また、法定後見・任意後見ともに申立等を弁護士や司法書士に依頼すると、別途手続報酬がかかることになります。
家庭裁判所では、以下のような流れで手続きを進め、特に大きな問題がなければ、申立てからおおよそ3ヶ月ほどで審判になります(東京家庭裁判所の本庁の場合)。
  1. 即日事情聴取
  2. 判断能力の鑑定
  3. 親族への意向照会
  4. 本人調査
  5. 審理
  6. 審判
審判が下りた後、審判確定まで2週間かかり、その後、法務局で取得できる「後見登記事項証明書」に反映されることになりますので、申立からそこまでに要する期間は、通常4月程度かかるでしょう。
ただし、認知症等の障害の程度が重度の方の場合、あるいは判断能力の低下が軽い方の場合、医師による鑑定が省略されるケースも多いです。また、親族照会すべき親族が特にいない場合も期間が短縮される要因となります。
そうなると数週間~2ヶ月で審判が下りることも十分ありえます。
一方任意後見の場合は、既に締結した任意後見契約に基づくものですので、審判が下りるまでの時間はかなり短縮されます。
通常、申立て後約1ヶ月程度で任意後見監督人選任審判が下り、任意後見契約の発動がなされます。
  1. 申立て後の取り下げは、原則できません。
    公益性や本人保護の立場から、いったん申立てがされた後は、裁判所の許可がなければ申立てを取り下げることはできません。
  2. 後見人には、申請書に後見人候補者として記載した人が必ず選任されるとは限りません。
    家庭裁判所は、候補者の方ではなく第三者の専門職を後見人に選任したり、候補者の方を選任した上で後見等監督人を選任したりすることがあります。その場合、裁判所が決めた報酬額を、本人の財産の中から支払うことになります。
  3. 後見・保佐が開始された場合、本人は、医師・税理士等の資格や会社役員、公務員の地位を失います。
    補助が開始された場合は、特に資格制限は受けません。
  4. 申立てのきっかけとなった法律行為(例えは、代わりに遺産分割に参加する)だけをすればよいのではなく、後見人等は、本人のために援助するための職責を負い、通常は、ご本人がお亡くなりになるまで続きます。
    後見人候補者の方は、その責任・義務を認識した上で、ある程度後見制度や法律の知識を学ばれる構えが必要です。
原則として、下記に該当する者以外は、親族であるかを問わず誰でもなれますが、本人の意向を踏まえ最終的には家庭裁判所が決定します。
法律で後見人になれない人が決まっています。
  1. 未成年者
  2. 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
  3. 破産者
  4. 本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族
  5. 行方の知れない者
上記以外の方は、基本的に誰でも成年後見人としての資格はありますので、成年後見人にしたい人がいれば、家庭裁判所に対して後見人選任の申立をする時点で、原則として後見人候補者を予め立てることになっています。
その際、もし推定相続人から正当な反対意見が出れば、その候補者が選任されない可能性もあります。
本人の財産管理や契約などの法律行為を本人に代わって行います。したがって、成年後見人としての法的責任(義務)が発生します。
尚、必ずしも病気の看病や身の回りのお世話をするというわけではありません。
成年後見制度の申し立ては誰でもできるわけではなく、本人・配偶者・四親等内の親族・市町村長などに限られています。
尚、四親等内の親族とは、次の人たちです。
  • 親、祖父母、子、孫、ひ孫
  • 兄弟姉妹、甥、姪
  • おじ、おば、いとこ
  • 配偶者の親・子・兄弟姉妹